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1. 3Dフリーソフト《Chime》と《RasMol》 ３Ｄのフリーソフトには、《RasMol》と《Chime》と《ProteinExplorar》があり、以下のサイトで紹介されています。 Molecular Visualization Freeware http://www.umass.edu/microbio/rasmol/ 《RasMol》は、RasMolのサイト（ http://www.umass.edu/microbio/rasmol/index2.htm ） 《Chime》は、Chime Resourcesのサイト（ http://www.umass.edu/microbio/chime/） でダウンロードすることができます。それぞれ、前述のサイトからもリンクされています。 今回は、《RasMol》と《Chime》について説明することにします。 まず、《RasMol》と《Chime》の違いですが、前者がブラウザーとは独立して動くソフトであるのに対して、後者はブラウザーのプラグインとして機能するソフトである点が大きな違いで、ほぼ同じ機能を持ち、高校レベルでの分子の立体構造を学習する範囲ではどちらでもいいと思います。教室のコンピュータの管理規則でダウンロードの行為を禁止しているなら《Chime》を選択すれば、生徒はブラウザーベースで利用できます。ただ、《Chime》の方を選択した場合、データはブラウザーに取込まれるためブラウザーを終了した時にデータは消えてしまいます。ファイルとして保存すれば《RasMol》で再利用できるが、時にそれができないこともある（理由は不明）ので、データをくり返し利用する場合は、ダウンロードに要する時間も短い《RasMol》の方を選んだ方が無難かもしれません。 《Chime》も表示が美しく捨て難いので、学校のコンピュータの運用方法や管理規則を考慮して、どちらを利用するか慎重に決め下さい。それぞれの概要と使い方を解説します。

2. 《RasMol》の操作方法について A) 色々な表示モデル 後述する手順に従い目的の分子の「座標データ」を適当な保存場所を指定し保存します。（私の経験では、長いファイル名や日本語のファイル名は機能しないことがあるので注意のこと。） 保存した「座標データ」のファイルのアイコンを《RasMol》のアイコン（実行ファイルでもショートカットアイコンでも可）に重ねると《RasMol》が起動し、分子の画像が表示されます。（ソフトを起動しファイルを指定して開いてもよい。） 表示画面にメニューバーがあるので、通常のソフトと同じように利用します。 メニューのDisplayをクリックすると、いろいろなモデルの分子表示形式に切り替えができ、目的に応じて選択できます。 Wireframe・・針金モデル　（aporipoproteinの画像例） Sticks・・・・棒モデル　（aporipoproteinの画像例） Ball&Stick・・球棒モデル　（aporipoproteinの画像例） Spacefill・・・空間充填モデル　（aporipoproteinの画像例） Ribbons・・・・リボンモデル　（aporipoproteinの画像例） リボンモデルは、タンパク質など高分子の構造を理解するのに大変有効で、α−ヘリックス構造（らせん構造・αらせん）やβ−シート構造（直線構造・β構造・ジグザグ構造）が一目でわかり、全体の立体構造がわかりやすくなります。 メニューの、Editではワープロなどへの画像の貼り付け、Coloursではモノクロ表示やChain・Groupごとの色分け表示、ExportではBMP・GIF形式でのファイル保存をすることができます。 p53遺伝子とHLA遺伝子産物の各モデルの画像例 ｔ-ＲＮＡ棒球モデル　　ｔ-ＲＮＡスティックモデル B) コマンドラインの操作 一方、ソフトの起動時にタスクバーにCommand Lineのアイコンが表示され、これをクリックするとCommand Lineの入力画面から各種のコマンドを実行するができます。 コマンドには、以下のようなものがあります。 show sequence（タンパク質のアミノ酸配列をN末端からC末端の順で表示） show informaition（分子に関するデータの表示） select（特定原子や領域の指定：例select oxygene） colour（指定部分の色指定：例colour blue） background（背景色の指定：例background white） connect（原子間結合の表示） dots（原子のファンデルワールス半径を点描表示） ssbonds（システィン残基間のジスルフィド表示） hbonds（分子内の水素結合の表示）

3. 《Chime》の操作方法について 《Chime》で画像を表示している時は《RasMol》のようなメニューが表示されないかわりに、main window上でマウスの「右クリック」により、メニューおよびサブメニューが表示されるので、各種の操作をすることができます。 有機化合物の画像例 遺伝子産物（たんぱく質）の画像例

4. 両者に共通のマウス操作 ドラッグ → X,Y軸方向の分子の回転 右ドラッグ（ChimeではCtrlと右ドラッグ）→ X,Y軸方向の分子の平行移動 shiftとドラッグ → ズーム機能 shiftと右ドラッグ → Z軸方向の回転

5. 遺伝子産物の座標データの入手方法 遺伝子産物のタンパク質の座標データは、インターネット上のデータベースから入手できます。日本のサイトを利用した二つの方法の手順を紹介します。 （１）ゲノムネット（京都大学化学研究所） http://www.genome.ad.jp/Japanese/ �@ ゲノムネットWWWサーバのホームページの［DBGETリンク図］をクリックし、DBGET Database Lenks のサイトにゆく。 �A 表示画面のうち、［ＰＤＢ］のボタンをクリックして表示される Search PDB database using DBGETの検索サイトで、遺伝子の検索をする。 �B 表示される複数のデータから目的のものをクリックし、表示された画面を下方にスクロールし、［Options］の項目の［Launch RasMol］ をクリックすると座標データが得られる。 （２）Gene Cardsのホームページ http://genecards.ims.u-tokyo.ac.jp/cards/ �@ Gene Cardsのホームページで、調べたい遺伝子を入力し検索する。または[gene listing]をクリックすると遺伝子の全リストが表示したページが表示されるので、これを利用してもよい。 �A 検索結果では、複数の関連遺伝子が表示されるので該当する遺伝子を選択し、［Display the complete Gene Card ］をクリックする。 �B 次に、その遺伝子の各種データが表示されるので、［Proteins］の項目の下方の［3Dstructure PDB ids］ に表示される複数のデータから目的のものを選択しクリックする。 �C 表示されたデータ画面をスクロールすると下方に［View ＊＊＊ in 3D ］の項目があるので、［RasMol］をクリックするとその遺伝子の産物であるタンパク質の座標データをダウンロードで得ることができる。適切な保存場所とファイル名を指定して保存する。《Chime》がインストールされている場合は、［First Glance］をクリックすると別ウィンドウが開き、《Chime》で美しい分子の画像が表示される｡［RasMol］をクリックすると背景が黒いブラウザー上に分子の３Ｄ画像が表示され、このデータは、main windou上でマウスの「右クリック」でメニューを表示し「FILE」で保存することができ、《RasMol》で利用できる。

6. ＮＨＫの「遺伝子 ＤＮＡ」のＨＰの利用 DNA データバンク （ヒト染色体地図） http://www.hgc.ims.u-tokyo.ac.jp/~jintai/data/ ＮＨＫは、99年に放送した人体シリーズ�V「遺伝子 ＤＮＡ」のホームページを作成し、前述のゲノムネットのサイトに適宜リンクさせていました。遺伝子の専門用語を知らなくても手軽に代表的な遺伝子の座標データを得ることができます。 現在、このサイトは、教育用DNAバンク （NHK 人体プロジェクトより）として、ヒトゲノム解析センター　の　「ゲノム研究入門」　のページにおかれているものです。

7. 理研のGENE BANK 理研のGENE BANK http://www.rtc.riken.go.jp/ このサイトでも遺伝子産物とDNA結合体などのさまざまな画像を入手できます。参考資料として、p53（ガン抑制遺伝子）のProtein-Nucleic Acid Complexの画像を《RasMol》と《Chime》での画像と比較してみました。 理研のデータの画像例

8.高校教材に登場するいろいろなタンパク質（注：ここに表示する画像は、gif画像です。） いろいろなporin分子 細胞膜に存在する輸送に関与する膜タンパク質。リン脂質でできている細胞膜が水を通すのはアクアポリンの働きによるし、他の物質の透過性もこれら分子たちの存在があるからです。 教材例 高校の生物の教科書に出てくる酵素やホルモンや膜タンパク質、高校生でも理解できる範囲の遺伝子の産物について座標データを生徒に配布して、操作させています。 9.参考文献 ＊バイオインフォマティックス協会主催 講習会 ＊「啓林 高理編 No.334」啓林館 斉藤淳一 ＊「パソコンで見る動く分子事典（CD-ROM付）」 講談社 BLUE BACKS 本間善夫・川端潤 　　データ集のCD-ROMが付属した解説書で、物質群の解説と共に《Chime》の操作方法が丁寧に解説されている。 10.その他の参考サイト zip-translator zip-translatorとは、英語のWebページを翻訳するサーバです。英語ではピンとこない時、助かります。 http://zip-translator.dna.affrc.go.jp/indexJ.html excite翻訳 多様な翻訳機能が用意されています。 http://www.excite.co.jp/world/ 「分子の形と性質」学習帳 豊富な分子事典になっています。Chime をインストールしてある必要があります。 http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/chem2/mol_db00.html

[植物材料からのDNA抽出]　[視細胞の種類と分布を確認する実験]　[眼球解剖]　[頭骨標本の作成]　[ミズクラゲの飼育]

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